LED vs 電球:消費電力比較とハイフラ抵抗値計算
毎度計算するのは面倒なので備忘録を記します。
ここでは、自動車に装着されている純正ウィンカーバルブを21W球として話を進めます。
普通自動車に搭載されているバッテリーは12Vなので、自動車で基準となる電源電圧は12Vと思いがちですが、エンジン稼働中の電源電圧は、通常14.1Vとみなします。
電力量の単位:ワット[W]は、MKSA単位系になおすと、
[W] = [V] x [ I ]
であるので、上記の数値をこの式に与えると、ウィンカーに流れる電流値は約1.5Aとなります。
LEDは省電力というのはよく聞く話ですが、ではどれ位の消費電力なのか?意外と知っている人は少ないのではないでしょうか?
LEDは抵抗器と違って流す事が出来る電流は決まっており、通常は僅か20~30mAです。輝度を稼ぐために幾つの並列回路が組まれているか?は商品によって異なりますが、黄色のLEDなら20発の仕様でもせいぜい流れて0.1A程度の電流しか流れていないはずです。
そこで、LEDに流れる電流を0.1Aとして再度上記の式に当てはめてみると、LEDの消費電力は僅か1.4Wとなることがわかります。
つまり、21Wの電球をLEDに替えたとことにより、その消費電力は、21W – 1.4W で約20Wの節電となります。もしも前後左右の21Wの電球をLEDに交換したならば、その4倍で80W相当の節電となります。
ウィンカーの回路は、通常左右個別の回路になっており、右前後、左前後で設計されていると思います。
そして搭載される純正ウィンカーリレーは、規定の点滅速度を満たすために、前後のウィンカー(21W x2)とサイドマーカー(電球なら5W)で、 「計47Wの消費電力を基準に計算された容量のコンデンサー」が実装されているはずです。もしサイドマーカーがLEDだったなら、その消費電力はほぼゼロに等しいとみなしていいと思います。
そして搭載される純正ウィンカーリレーは、規定の点滅速度を満たすために、前後のウィンカー(21W x2)とサイドマーカー(電球なら5W)で、 「計47Wの消費電力を基準に計算された容量のコンデンサー」が実装されているはずです。もしサイドマーカーがLEDだったなら、その消費電力はほぼゼロに等しいとみなしていいと思います。
ウィンカーをLEDにするとなぜハイフラ(点滅速度の高速化)が起きるのか?
それは、本来47Wの電力消費があるはずなのに、LED化することでその消費電力が90%以上も少なくなってしまうことに起因します。
コンデンサーとは、簡単に言うと一定の電気が貯まるまで電気を流さず維持し、電気が所定の量に達すると貯めた電気を放電し、そしてまた貯める、と言った動きを繰り返す電子素子です。
つまり、ウィンカーで使ってくれるはずの電気が使われなってしまい、その余った電気がコンデンサーに回るようになった結果、電気がコンデンサーの所定の量に達するまでの所要時間が短くなってしまったからです。
それは、本来47Wの電力消費があるはずなのに、LED化することでその消費電力が90%以上も少なくなってしまうことに起因します。
コンデンサーとは、簡単に言うと一定の電気が貯まるまで電気を流さず維持し、電気が所定の量に達すると貯めた電気を放電し、そしてまた貯める、と言った動きを繰り返す電子素子です。
つまり、ウィンカーで使ってくれるはずの電気が使われなってしまい、その余った電気がコンデンサーに回るようになった結果、電気がコンデンサーの所定の量に達するまでの所要時間が短くなってしまったからです。
では次に、ハイフラ抵抗を使用する場合の抵抗値の選択方法を考えてみます。
上記のとおり、純正バルブ1球に対してLEDでは約20Wの消費電力の差があります。つまり、ハイフラ化を防止する為には、20W分の電力を何かが代わりに消費してやればよいことになります。
では、20W分の消費電力に相当する抵抗値はいくつでしょうか?
上記のとおり、純正バルブ1球に対してLEDでは約20Wの消費電力の差があります。つまり、ハイフラ化を防止する為には、20W分の電力を何かが代わりに消費してやればよいことになります。
では、20W分の消費電力に相当する抵抗値はいくつでしょうか?
ここで抵抗に流れる電流は不明なので、オームの法則により
電流[ I ] = [V] / [R]
に変換できます。この式を最初の式に当てはめてみると、
[W] = [V] x [V] / [R]
となり、この場合の抵抗値R = 9.9Ωとなります。
あれ?6Ωじゃないの?って思った方!スルドイ! あなたは経験者ですね?
もし計算上の電圧が12.0Vだったら?この場合の抵抗値は7.2Ωになります。
「ん?結局6Ωじゃないじゃん?」 って思ったでしょうか?
「ん?結局6Ωじゃないじゃん?」 って思ったでしょうか?
そうなんです。本来純正ウィンカーリレーと全く同じ点滅速度を再現したい場合は、今回のように7.2~9.9Ωの間でトライ&エラーを繰り返して適正値を探すしかないのですが、6Ωでは範囲外になります。
しかし、幸いなことにウィンカーの点滅速度の規定って言うのは60回~ 120回/分とかなり幅があるので、この範囲に収まっていれば、たとえ6Ωの抵抗を付けて多少純正の時と点滅速度が違っても道交法上は問題無いわけです。
では、実際の場合を想定してもう少し詳しく考えてみます。
ウィンカー前後2つを思い浮かべてみると、どちらも両端に等しい電圧がかかっている事から、両者は並列回路になっている推測できます。
上記より、20W相当の抵抗値が約10Ωであるなら、このウィンカー回路の合成抵抗は5Ωになります。
では、フロントのウィンカーは純正(10Ω)のまま、リアのみLEDにして6Ωのハイフラ防止抵抗を付けたとしたらどうでしょうか?
この場合の合成抵抗は3.75Ωとなるので、純正よりも消費電力が少なくなりますから、冒頭の考察と同じ理由でウィンカーの点滅速度は純正の時よりも速めになるのではないか?と推測できます。
ウィンカー前後2つを思い浮かべてみると、どちらも両端に等しい電圧がかかっている事から、両者は並列回路になっている推測できます。
上記より、20W相当の抵抗値が約10Ωであるなら、このウィンカー回路の合成抵抗は5Ωになります。
では、フロントのウィンカーは純正(10Ω)のまま、リアのみLEDにして6Ωのハイフラ防止抵抗を付けたとしたらどうでしょうか?
この場合の合成抵抗は3.75Ωとなるので、純正よりも消費電力が少なくなりますから、冒頭の考察と同じ理由でウィンカーの点滅速度は純正の時よりも速めになるのではないか?と推測できます。
ついでなので、前後ともLEDに替えたらハイフラ防止抵抗は何Ωの物を付けたらいいのか考えてみます。
40W相当の消費電力に相当する抵抗値を求めますと、電源が12Vの場合でR=3.6Ωです。電源が14.1VならR=5.0Ωです。つまり、答えは3.6~5.0Ωになります。
といっても、実際に市販されているハイフラ防止抵抗には抵抗値のバリエーションがほとんどない(50W- 3Ω、6Ω、8Ω)ので、自ずと使う抵抗値は決まってしまいますから、この辺りは、お好みでチョイスするしかないのが難点です。
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